仮想通貨/ビットコインのレバレッジ取引とは

仮想通貨のレバレッジ取引とは、口座に預けた証拠金(資金)を担保に、その金額以上の取引ができる方法です。
日本の仮想通貨事業者が提供するレバレッジ取引の多くは、差金決済取引(CFD)と呼ばれるものです。
これは、仮想通貨の現物の受け渡しを行わず、ポジションを反対売買で決済し、その損益を金銭のやり取りだけで精算する取引です。
なお、仮想通貨の現物取引サービスは資金決済法に基づく暗号資産交換業に該当しますが、レバレッジ取引サービスは第一種金融商品取引業に分類され、それぞれの事業者登録が必要です。
そのため、第一種金融商品取引業者として登録していないためにレバレッジ取引を扱っていない仮想通貨取引所もあれば、現物取引を扱わず、第一種金融商品取引業者として仮想通貨のレバレッジ取引を提供している証券会社なども存在します。
仮想通貨のレバレッジ取引のメリット 3選
①資金効率を高められる
仮想通貨のレバレッジ取引では、証拠金を担保にすることで、預けた金額以上の取引が可能です。
日本の規制では、レバレッジ倍率は最大2倍までと定められており、例えば10万円の証拠金で最大20万円の取引ができます。投資対象の価格が10%上昇した場合、現物取引での利益は1万円ですが、2倍のレバレッジをかけていれば2万円の利益となります。
各銘柄のレバレッジ倍率は固定されていますが、保有するポジションの数量を調整することで、口座資産に対する実質的なレバレッジは自分で管理できます。
②下落相場でも利益を狙える
現物取引では、安く買って高く売ることでしか利益を得られません。
しかし、レバレッジ取引では売りから取引を始め、価格が下がった時点で買い戻すことで利益を得ることが可能です。これにより、上昇相場だけでなく、下落相場でも利益を狙うチャンスがあります。
また、現物で仮想通貨を保有している場合、価格下落が予想されるときにレバレッジ取引で売りポジションを持つことで、現物の価値下落による損失を相殺するリスクヘッジとして活用できます。
③24時間365日、取引が可能
レバレッジ取引は株式や為替などでも行えますが、日本株の取引時間は平日9時~15時、為替(FX)は土日に取引できないなど、時間的な制約があります。
一方、仮想通貨のレバレッジ取引は24時間365日可能です。
そのため、仕事終わりの夜間や週末など、自分の都合に合わせて取引を楽しむことができます。
仮想通貨のレバレッジ取引のデメリット 2選
①レバレッジのかけ方によっては、損失リスクも大きくなる
レバレッジ取引は資金効率が良く、同じ投資額でも現物取引以上の利益を狙えますが、損失リスクも同様に高まります。
例えば、投資対象の価格が10%下落した場合、10万円分の現物取引では1万円の損失で済みますが、2倍のレバレッジをかけて20万円分のポジションを持っていると、2万円の損失となります。
ポジションの数量を調整して実質的なレバレッジ倍率を管理できますが、取引の仕方によっては現物取引よりも大きな損失を被る可能性があります。
② 含み損が大きくなると、ロスカットされる場合がある
現物取引では、投資対象が値下がりしても、含み損が投資額を超えることはなく、将来の値上がりを期待して長期保有することが可能です。
しかし、レバレッジ取引では、証拠金以上の取引ができるため、含み損や確定損失が証拠金を上回り、資産がマイナスになるリスクがあります。
これを防ぐために、レバレッジ取引には「ロスカット」(強制決済)の仕組みがあります。
ロスカットの基準は取引所によって異なりますが、例えばGMOコインでは、証拠金維持率が75%以下になると自動的にロスカットが執行されます。
この制度は投資家と取引所の双方を保護するためのものですが、投資家の意図に関係なく強制的に行われるため、必ずしも望ましいとは限りません。
(純資産-注文中証拠金)÷ポジション必要証拠金×100
仮想通貨のレバレッジ取引の方法の流れ
仮想通貨のレバレッジ取引を始めるには、まず取引所で口座を開設しましょう。以下の手順で進めます:
- メールアドレスを登録してアカウントを作成する
- 必要なお客様情報や取引情報を入力する
- 本人確認を行う(身分証明書のアップロードなど)
- 口座開設コードを入力して、取引を開始する
口座開設が完了したら、次に取引を始めるための資金を口座に入金します。
GMOコインでは、以下の2つの入金方法を選べます:
- 即時入金:入金がすぐに反映される便利な方法
- 振込入金:銀行窓口やATMから入金する方法
また、すでに保有している仮想通貨をGMOコインの口座に移して入金することも可能です。
資金(証拠金)を入金したら、次はどの仮想通貨を取引するかを選びましょう。
GMOコインでは、2024年6月時点で以下の14種類の通貨がレバレッジ取引の対象です:
(BTC、ETH、BCH、LTC、XRP、XLM、BAT、XTZ、DOT、ATOM、ADA、LINK、DOGE、SOL)
これらの通貨は、それぞれ時価総額や価格変動の大きさ(ボラティリティ)が異なります。
一般的に、ビットコインのような主要通貨は価格変動が小さく、マイナーな通貨はボラティリティが大きい傾向があります。
また、マイナー通貨ほどスプレッド(取引コスト)が広くなるため、こうした特徴を考慮して取引する銘柄を選びましょう。
レバレッジ取引では、現物取引に比べて利益も損失も大きくなるため、取引を始めるタイミングが重要です。
取引する通貨が決まったら、感覚に頼らず、値動きをしっかり分析してからポジションを持ちましょう。
GMOコインでは、高性能な取引ツールが利用できます。
PC版・スマホアプリ版の両方で、移動平均線やMACDなどのテクニカル指標を使った詳細な分析が可能です。これらを活用して、有利なタイミングを見極めてください。
値動きを分析したら、売りか買いのどちらのポジションを取るかを決めて注文を入れます。
GMOコインでは、以下の注文方法が利用可能です:
- 成行注文
- 指値注文
- 逆指値注文
- IFD注文(新規注文と決済注文を同時に設定)
- OCO注文(利益確定と損切りを同時に設定)
- IFD-OCO注文(新規注文とOCOを組み合わせた注文)
注文後、ポジションを保有した状態から反対売買を行うことで、利益または損失が確定します。
仮想通貨のレバレッジ取引で注意すべきポイント 3選
①余裕のある資金で取引する
これは仮想通貨のレバレッジ取引に限らず、すべての投資に共通する基本です。
投資には必ず損失のリスクがあり、それは初心者から上級者まで誰にでも等しく存在します。
そのため、レバレッジ取引を行う際は、万が一損失が出ても生活に影響を及ぼさない「余裕資金」を使うようにしましょう。この心構えが、安定した投資を続ける上で非常に重要です。
②リスクを抑えた取引を心がける
レバレッジ取引は、少ない資金で大きな取引ができる魅力がありますが、レバレッジの倍率が高くなるほど損失リスクも大きくなります。
場合によっては、相場が急変し、意図せずロスカット(強制的な決済)されることもあります。そのため、高い資金効率を求める際でも、過度なレバレッジをかけすぎないよう注意が必要です。
また、リスク許容度は人によって異なるため、自分の資産に対してどの程度のレバレッジをかけるべきかは、経験を重ねながら適切なバランスを見つける必要があります。
③適切なタイミングで損切りを行う
現物取引では、銘柄を保有していても追加コストがかからないため、値動きが予想と外れた場合でも「塩漬け」(長期間保有)という選択肢を取ることができます。
一方、レバレッジ取引では、ポジションを持ち越すたびに手数料が発生するうえ、含み損が大きくなりすぎるとロスカットのリスクもあります。そのため、想定外の値動きが発生した際には、損切りを迷わず行えるよう、事前にルールや戦略を決めて取引を行うことが重要です。
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